セットアップガイド・続編

繋がった後の使い方:実際にファイルをやり取りする方法

NAS同士を直接つなぐ設定が終わっても、それだけでは終わりません。ここでは、実際にファイルを転送する具体的な方法を説明します。

LOOP MOVIE・技術検証ノート・2026年8月

そもそも「Tailscale IP」って何?

Tailscaleで繋がった機器には、それぞれ専用の番号(100.〇〇.〇〇.〇〇という形式)が割り振られます。これを「Tailscale IP」と呼びます。

マンションで例えると分かりやすいです。Tailscaleという1つの建物の中に、あなたの部屋と相手の部屋がそれぞれあり、「Tailscale IP」はその部屋番号にあたります。この番号さえ分かれば、建物の外からでも、まっすぐその部屋(NAS)にたどり着けます。

①相手の「部屋番号」を確認する

ファイルをやり取りするには、まず相手のNASの「部屋番号」(Tailscale IP)を調べます。方法は2つあります。

1

Tailscaleのサイトで見る(一番かんたん)

ブラウザで login.tailscale.com/admin/machines を開いてください。表の「ADDRESSES」という欄に、機器ごとの番号が並んで表示されています。

2

パソコンのTailscaleアプリで見る

Windowsパソコンなら、画面右下の時計のあたりにある小さいTailscaleのアイコンをクリックしてください。自分と相手、両方の番号が一覧で表示されます。

注意:これは、いつもの「パソコンのIPアドレス」とは別物の、Tailscale専用の番号です。混同しないよう、必ずTailscaleの画面から確認してください。

②「共有フォルダ専用のアカウント」を用意してもらう

相手のNASのフォルダを見るには、相手のNASに「ログインするための、ユーザー名とパスワード」が必要です。これはパソコンにログインパスワードがあるのと同じ理屈です。

ここが一番大事なポイントです。相手には「NAS全体を管理できる、一番偉いアカウント(管理者アカウント)」ではなく、「特定の共有フォルダだけ見られる、専用の控えめなアカウント」を新しく作ってもらい、それを教えてもらうようにしてください。

家に例えると、家中どこでも入れる「合鍵」を渡すのではなく、「物置だけ開けられる鍵」を別に作って渡すイメージです。もし専用アカウントのパスワードが漏れても、被害はその物置(共有フォルダ)だけで済み、家全体(NAS全体)が危険にさらされることはありません。

相手にお願いする内容(コピペしてお使いください)

「NASの管理画面から新しいユーザーを1つ作って、共有したいフォルダだけにアクセス権限をつけてもらえますか? そのユーザー名とパスワードを教えてください」

③実際にファイルをコピーする(方法1:手軽な方法)

「ネットワークドライブ」として繋ぐ方法です。難しいコマンド入力は一切不要で、普段のフォルダ操作と同じ感覚で使えます。

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ネットワークドライブの割り当てを開く

Windows

エクスプローラー(フォルダのアイコン)を開き、左側にある「PC」という文字を右クリック →「ネットワークドライブの割り当て」を選びます。

Mac

Finder(顔のようなアイコン)を開き、メニューバーの「移動」→「サーバへ接続」を選びます。

2

相手の「部屋番号」を入力する

Windows
\\(①で調べた相手のTailscale IP)\共有フォルダ名

ドライブ文字(Z など、なんでも構いません)はそのままでも大丈夫です。

Mac
smb://(①で調べた相手のTailscale IP)/共有フォルダ名
「共有フォルダ名」って何?

相手のNAS管理画面で「ファイル」アプリを開き、左側の「共有フォルダ」をクリックすると、フォルダの一覧が表示されます。そこに並んでいる名前(例:「共有フォルダ◯◯専用」のように、あなた専用に作ってもらったフォルダ名)が、そのまま入力する「共有フォルダ名」です。この名前は事前に相手に確認しておいてください。

3

専用アカウントでログインする

ユーザー名とパスワードを聞かれます。②で相手に作ってもらった、共有フォルダ専用のアカウントを入力してください。

1回だけ使うか、ずっと使うか

接続時に「この接続を維持する」のようなチェック項目が出てきます。ONにすると、次回パソコンを起動した時も自動でつながった状態になり、毎回設定し直す必要がなくなります。何度もやり取りする相手なら、ONにしておくのがおすすめです。OFFのままだと、パソコンを再起動するたびに、この接続は消えてしまいます。

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普通にコピーする

これで、相手のフォルダが自分のパソコンの中の1つのフォルダのように表示されます。あとは、いつもと同じようにドラッグ&ドロップでコピーするだけです。

コピーが途中で止まってしまったら

大きなファイルのコピー中に、ネットワークが一瞬途切れて止まってしまうことがあります。その場合は、あわてずもう一度同じフォルダをコピーしてください。「上書きしますか?」と聞かれるので、それに従えば続きから進められます。

④実際にファイルをコピーする(方法2:もっと確実な方法)

数百GBを超えるような、とても大きなデータを送る時におすすめの方法です。NAS自体が転送を管理してくれるので、通信が途切れても自動でやり直してくれるなど、安心感があります。

NASのデスクトップ画面にある「同期とバックアップ」というアプリを使い、相手のNASとの間で自動的にコピーする設定(同期タスク)を作ります。細かい設定方法はNASの機種によって変わるので、お使いのNASの説明書もあわせて確認してください。

結局、どちらを選べばいいの?

方法1:ネットワークドライブ

準備がかんたんで、すぐ使えます。数GB〜数十GB程度の、たまのやり取りに向いています。

方法2:同期とバックアップ

設定はやや手間ですが、より確実です。数百GB単位の大容量や、頻繁にやり取りする場合に向いています。