セットアップガイド・続編
NAS同士を直接つなぐ設定が終わっても、それだけでは終わりません。ここでは、実際にファイルを転送する具体的な方法を説明します。
Tailscaleで繋がった機器には、それぞれ専用の番号(100.〇〇.〇〇.〇〇という形式)が割り振られます。これを「Tailscale IP」と呼びます。
ファイルをやり取りするには、まず相手のNASの「部屋番号」(Tailscale IP)を調べます。方法は2つあります。
ブラウザで login.tailscale.com/admin/machines を開いてください。表の「ADDRESSES」という欄に、機器ごとの番号が並んで表示されています。
Windowsパソコンなら、画面右下の時計のあたりにある小さいTailscaleのアイコンをクリックしてください。自分と相手、両方の番号が一覧で表示されます。
相手のNASのフォルダを見るには、相手のNASに「ログインするための、ユーザー名とパスワード」が必要です。これはパソコンにログインパスワードがあるのと同じ理屈です。
家に例えると、家中どこでも入れる「合鍵」を渡すのではなく、「物置だけ開けられる鍵」を別に作って渡すイメージです。もし専用アカウントのパスワードが漏れても、被害はその物置(共有フォルダ)だけで済み、家全体(NAS全体)が危険にさらされることはありません。
「NASの管理画面から新しいユーザーを1つ作って、共有したいフォルダだけにアクセス権限をつけてもらえますか? そのユーザー名とパスワードを教えてください」
「ネットワークドライブ」として繋ぐ方法です。難しいコマンド入力は一切不要で、普段のフォルダ操作と同じ感覚で使えます。
エクスプローラー(フォルダのアイコン)を開き、左側にある「PC」という文字を右クリック →「ネットワークドライブの割り当て」を選びます。
Finder(顔のようなアイコン)を開き、メニューバーの「移動」→「サーバへ接続」を選びます。
\\(①で調べた相手のTailscale IP)\共有フォルダ名
ドライブ文字(Z など、なんでも構いません)はそのままでも大丈夫です。
smb://(①で調べた相手のTailscale IP)/共有フォルダ名
相手のNAS管理画面で「ファイル」アプリを開き、左側の「共有フォルダ」をクリックすると、フォルダの一覧が表示されます。そこに並んでいる名前(例:「共有フォルダ◯◯専用」のように、あなた専用に作ってもらったフォルダ名)が、そのまま入力する「共有フォルダ名」です。この名前は事前に相手に確認しておいてください。
ユーザー名とパスワードを聞かれます。②で相手に作ってもらった、共有フォルダ専用のアカウントを入力してください。
接続時に「この接続を維持する」のようなチェック項目が出てきます。ONにすると、次回パソコンを起動した時も自動でつながった状態になり、毎回設定し直す必要がなくなります。何度もやり取りする相手なら、ONにしておくのがおすすめです。OFFのままだと、パソコンを再起動するたびに、この接続は消えてしまいます。
これで、相手のフォルダが自分のパソコンの中の1つのフォルダのように表示されます。あとは、いつもと同じようにドラッグ&ドロップでコピーするだけです。
大きなファイルのコピー中に、ネットワークが一瞬途切れて止まってしまうことがあります。その場合は、あわてずもう一度同じフォルダをコピーしてください。「上書きしますか?」と聞かれるので、それに従えば続きから進められます。
数百GBを超えるような、とても大きなデータを送る時におすすめの方法です。NAS自体が転送を管理してくれるので、通信が途切れても自動でやり直してくれるなど、安心感があります。
NASのデスクトップ画面にある「同期とバックアップ」というアプリを使い、相手のNASとの間で自動的にコピーする設定(同期タスク)を作ります。細かい設定方法はNASの機種によって変わるので、お使いのNASの説明書もあわせて確認してください。
準備がかんたんで、すぐ使えます。数GB〜数十GB程度の、たまのやり取りに向いています。
設定はやや手間ですが、より確実です。数百GB単位の大容量や、頻繁にやり取りする場合に向いています。